海外滞在中の子供の教育

子どもを伸ばす「親力アップ法」

Question

海外に住んでいますが、子どもたちの外国語力が思うように伸びません。どうしたらいいでしょうか?

Answer

異文化受け入れることが外国語力習得の近道
一時帰国の際などに、久しぶりに再会した友人から「お子さん、外国語がペラペラなんでしょう?」「大人顔負けでいいですねぇ」などと羨ましがられた経験をお持ちの方は、多いのではないでしょうか? いとも簡単に外国語を習得しているように思われがちな海外在住の子どもたち。しかし実際は、ご存じのように、習得までの道のりは並大抵のものではありません。
そこで今回は、親として、子どもの外国語力習得をどのようにサポートしていけばよいのかをお伝えします。さて、「語学の得意不得意」を決める要素の一つとして、その子の持つ「性格」や「資質」が挙げられることがありますが、海外生活を経験する子どもに対しては、これに「その子を取り巻く生活環境」がプラスされます。そしてそれは時に、性格や資質以上に影響を及ぼすこともあるでしょう。

海外に渡り、新たな生活を始める際、誰もが直面する問題に「カルチャーショック」があります。感受性豊かな子どもにとって、日本と違う人種や文化、生活習慣、学習スタイルに遭遇することは、柔軟に受け入れられることばかりではないはずです。
とはいえ、この「カルチャーショック」という壁をどう克服していくかが、外国語力習得における大きな鍵となってきます。立ちはだかる壁に時間をかけて向き合い、克服し、その成功経験をもとに、もう1つの壁を乗り越えていく。これを繰り返していくことで、子どもは次第にその文化を受け入れます。そしてそれによって初めて、その文化を構成する「外国語」と向き合う気持ちが湧いてくるのです。ですから、子どもが初めてカルチャーショックを経験する際は、カルチャーショックの克服を決して焦らせないように気を付けましょう。子どもにとって、直面する壁を乗り越えていくのは容易なことではありませんが、温かい気持ちで励まし、異文化の壁を克服しやすい環境作りに心がけていきたいものです。

このことは、10代の大半を海外で過ごした私自身の経験からもお伝えすることができます。私は中1の秋、父の赴任に伴い、ブラジルへ渡航しました。そして、日本人学校がある地域だったため、いきなり現地校には入らず日本人学校に編入。日本での学習環境を大きく変えることなく生活しました。
その後、渡伯当初は中学卒業後には日本の高校に進学することを希望していましたが、異国での生活に徐々に慣れてくると、現地のアメリカンスクールへの進学を決意。高校卒業までをブラジルで過ごし日本に帰国したのです。

言葉や文化、生活習慣が大きく異なる国に渡りながらも、比較的大きなカルチャーショックを感じずにすみ、壁をゆっくりと克服できたのは、少しずつ現地の生活環境に慣れ親しむことができたからだと思います。そして、少しずつ、異文化や価値観を受け入れながら成長することで、結果的に大きく価値観を変え、自分自身を成長させることができたのです。

相応の外国語力のために現状のレベルチェックを

さて、カルチャーショック克服後、外国語の習得も順調に進んでいく中で、子どもたちが次に直面するのが、“その年齢相応の”外国語の習得です。

メディアやインターネットが発達した今日、日本から遠く離れた異国の地にいながらも、いとも簡単に日本国内の情報が手に入ってしまいます。そのため、ひと昔前と比べ現在の帰国生の中には、日本を離れていながらも日本国内の流行やエンターテインメントに詳しい生徒が多いことに驚かされます。ですが、その一方で、日本の国内情報に詳しい分、長い海外生活を送りながらも「外国語の習得度」がそれに見合っていないケースが増えてきているようにも思います。日常会話には苦労しない程度に習得してはいるものの、その後のレベルが上がらないまま、またはそういった状況に気がつかないまま、日本帰国となってしまうケースも少なくないようです。

対処法としては、子どもが異文化の壁を克服し、ある程度の外国語力が習得できたと感じられた際には、語学検定などを受験し、まずはその時点での語学レベルを確認することをおすすめします。客観的な力を知ることで、次なる目標、課題も明確になってくることでしょう。そのほか、将来の進路を見据え、習得が必要な外国語にどの程度取り組んでいるか、その言語の環境下にどのぐらいいるかなどを再確認し、対策を考える必要もあるでよう。例えば、海外で生活しながらも放課後や休日は日本語の生活で、なかなか外国語が身につかないという場合には、できるだけ外国語漬けの生活を送られるような工夫が必要です。
例えば、語学学校に通う、プライベートレッスンを受ける、平日はホームステイをする(実際に私はこの方法で英語を克服しました)など、お住まいの環境やお子さんに合った方法を選んで試してみてください。工夫を加えることで、数ヶ月後、数年後には語学力アップを実感できることでしょう。

Advice

早めの進路情報収集で外国語力を確実なものに
お子さんが高校生の場合、外国語習得という観点からも、なるべく早い段階で、進路に関する情報収集を開始することをおすすめします。

海外の大学へ進学するなら、各大学の出願資格やSAT、ACT、TOEFLなどの出願基準、日本国内の大学に進学する場合にも、各大学の学部や学科毎に異なる外国語検定資格の指定の有無(大学により、TOEFLやTOEIC、英検、独検、仏検などの検定を受けていることが出願資格となっている場合があります)、必要基準(得点や級)を確認し、対策を取る必要があるからです。

親としては、カルチャーショックを克服し、成長した子どもの力を強く信じ、温かく見守りつつ(アドバイスという名目で、進路についていろいろと口出ししたいところでもありますが)、帰国前も帰国後も、良好な環境作りに協力することが、なにより重要なサポートとなるはずです。

天野みゆき

東京インターハイスクール
学習コーチ 天野みゆき

親の海外赴任に伴い、中学、高校を南米・ブラジルで過ごす。上智大学外国語学部卒業。Jリーグクラブチームにて約10年間、ポルトガル語通訳、ゼネラルマネージャー秘書、チーム広報などの業務に従事。TIHSでは、学習コーチとして生徒指導をする傍ら、ブラジルポルトガル語クラスを担当。

東京インターハイスクール:東京都渋谷区にある通信制インターナショナル・スクール

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