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論文執筆セミナー

こちらの大学では週に一回,受け入れ教官の受け持つゼミに出席している.
昨日のセミナーでは,今学期最初と言うこともあり,教官自ら学生向けの論文執筆方法について講義をした.

それにしても,その内容が非常に具体的なことに驚いた.
既にある程度論文を書いてきた僕にとっては,それほど役立つ情報は無かったものの,修士や博士課程の学生に対してはとても有用な講義だったと思う.

タイトルには基本的に「地名,手法,年代」を入れることから,
イントロダクションは三つのパラグラフに分け,初めに研究の意義,次にこの研究分野の疑問点,三つ目にこの論文で行った内容をまとめること,
そして,議論の構造から著者順,謝辞まで具体例を紹介しながら細々と..

僕は今まで論文の書き方について講義を受けた経験は無い.
少なくとも同分野ならば他の人も無いと思うから,恐らく日本では一般的な事ではないと思う.
では何時論文執筆方法を身につけるかと言うと,論文を初めて書いた時ではないだろうか.
僕の場合は随分遅く,博士課程に入って随分経った頃,他の同級生が既に論文を書いていることを知って,慌てて修士論文の内容を投稿論文にすることにした.
その時書いた日本語の論文を,当時の助手の先生に手取り足取り見てもらったのが最初の指導だったと思う.その後は,論文を書く度に共著の先生に直してもらうことで論文の書き方を覚えてきたような気がする.特に,世界でもトップクラスの研究者であるポスドク時代の恩師からは,英語の表現方法や論理の展開の癖などを直してもらうなど,大変貴重な指導を受けた.ただ,正直に言って指導教官からみっちり指導してもらうという機会がなかったので,系統だった論文の書き方は教わってきていない.例えば,謝辞に入れるべき項目など最近までよく知らず,後々にあれは拙かったと気づき,大変申し訳なかったと反省したこともある.つまり論文の書き方が分かって来たのは極々最近ということになるが,実はまだ知らないことも沢山あるかも知れない.

このような経験を踏まえると,修士の時代ぐらいにこの論文執筆セミナーを受けていたら随分違って来ただろうなと思う.こちらでは,英語のハンディが無い上に,この様な戦略的講義を受けることによって競争力のある若手研究者がどんどん育っていくのだろう.

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若手(後期)研究者の海外生活

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