阪神大震災は 被災者の運命を 天と地ほどに分けた。
震災を経験したが 怪我をすることもなく 自宅が残った人は
持ち前の 関西人スピリットで
その日の 出来事を 笑い話に変えて 話した。
どの家でも 部屋中の物という物が 吹っ飛び、
食器は すべて粉々に割れた。
思い出の皿、アンティーク、骨董品。
有田焼が、萩焼が、あぁ 高かったのに・・・・。
ところが 粗品でもらったマグカップや 会社のロゴ入りのお皿だけが
なぜか 割れずに 残っていたという。
鍵まで 閉めていたはずのサッシが 地震の後 すべて開いていたとか、
自分の家の冷蔵庫が 隣の家の 庭から見つかったなどという話は
当日の 地震の揺れの激しさを 物語る。
しかし、あんなに 激しい地震だったのに
外を 歩いていて 気づかなかった人も いた。
日課の早朝散歩で 山道を歩いていて 地震に気付かず
家に帰ってみたら 自宅が 跡形も無くなっていて びっくりしたという。
他にも・・・・
頭がボサボサの おばあさんがいたので 話をしていたら
実は 美人で有名な 近所の奥さんで
メイクを 落としたら あんな顔やったんか、とか、
旦那が 地震の瞬間 となりで寝ている 奥さんのお腹の上を踏みつけて
自分だけ 逃げようとしたので それ以来 夫婦仲が 険悪になったとか、
しばらく 水が出なかったので 近所の川まで水汲みにいく日々で
アフリカの人たちの 苦労が よく分かったとか、
大阪のホテルに行くと 逃げてきた芦屋の人ばかりで
まるで 町内会のようだったとか・・・。
みんな お笑い芸人さながら 身振り手振りを交えて
辛かったこと、大変だったことも 面白おかしく しゃべくり倒す。
水道、ガス、電気がなくても 戦争に比べたら こんなもの大したことない、
と 気丈に話す お年寄りが いたかと思えば、
神戸空襲、伊勢湾台風と 大変な被害に遭い、８０歳を過ぎて 今度は震災と
ワシの人生 踏んだり蹴ったりや と嘆く人もいた。
しかし こうして震災体験を 笑い話にかえられるのも 命あればこそ。
震災で 友人や家族を 失った人にとっては
この日は どんなに年月を経ても けっして笑い話には ならない。
あれから１６年たち 被災者の中にも １月１７日に対して
特に ピンとこない人がいる一方で
新年が明けると同時に 生々しい記憶が よみがえる人々がいる。
次回は 涙なくては聞けない お話。
読んだらクリック・プリーズ
↓↓↓↓
