大学予算削減，別の見方

先日，国立大学予算の大幅削減と（優秀な）若手研究者の海外流出について書いたのだけれど，これは一面的な見方であって，もちろん別の側面もある．
その一つは，ある程度の国立（＋公立）大学の規模縮小は必要かもしれないということだ．

僕の立場でこんなことを言ったら問題かもしれないけれども，高校生の数がピークの半分に落ち，今後も間違いなく減っていくのだから，国公立大学の規模・設計がずっと同じでいいはずはない．

ただ，ここで問題なのは，ビジョン無き予算削減は弱小地方国公立大学を徐々に弱らせ潰していくだけであるという事だ．
そして，若手研究者の流出もしくは新規雇用ストップによって空白の世代が出来てしまう可能性もある．

一方で，産業も少ない地方において，県に一つの国立大学の存在価値は実に大きい．例えば，僕の故郷の長野県に，総合大学は信州大学の一つしかない（はず）．信大があるから，都会への若者流出に（少しは）歯止めがかかり，他県からの人材流入も（ほんの少しは）期待できるわけだ．流出した僕が言うのも何だけど．．
もちろん，大学病院の存在も地域医療の中核として非常に大切でないかと思う．

そこで，個人的意見としては，やたらと沢山ある首都圏の国公立大学を選択的に削減すればどうだろう？都内には私立大学が沢山あるのだから．
どうしても必要な大学ならば地方に移転させて，例えば信州工業大学（旧東工大＋信大工学部）とかにしたら良い．

公共工事よりもずっと良い地域振興策だと思うけれども．．
（もちろん僕の研究所も地方に飛ばして貰って結構です．大歓迎）