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今年の４月に日本人間ドッグ学会が新しい健康診断の「新基準」を
発表した。従来使われていた基準値と比べて今回の新しい基準値は
かなり幅があり、以前の厳しさが取れ、緩やかだ。どっちが正しい
やら、どっちを信用していいやら、世間では、混乱している模様だと
・・・・耳に入ってきた。自分も混乱。
今まで「異常」範囲だったものが、「正常範囲」に入るという・・
変であり、でも一応、安心材料になるような気もするし、どっちを
信じたらいいのでしょうか・・。
１、今回の新基準を学会は「治療が必要かどうかを判断する
基準ではない」と言っています。150万人の膨大な受診データを
分析して算出。
病気の人や、不健康な生活習慣病的な(酒・たばこ・肥満など)を
除き「健康な人」を基準にしている。
２、以前の旧基準は、心筋梗塞などの病気を起こした人＆起こさ
なかった人を合わせて、１万人のデータから過去にさかのぼって
比較した結果だったそうです。
つまり自分が思うに、この旧基準数値は、将来こういう病気になる
可能性があるから気をつけましょうねと言う警告数値だったわけです。
３、新も旧も、同じ”警告数値”ではあるけれど、ずっと疑問に思って
いたことがあるんです。
A、以前、日本で人間ドッグを受けていて、病院により結果数値が
違っていたこと。
当時、病院にどうして違うのか聞いたところ、病院側が出す「検査
機関によって」多少違ってくるんです・・という返事だった。そういえば、
結果用紙スタイルも、記載順番も、基準範囲も違っていたっけ。
その時から疑問は感じていた・・・。
B、血糖値の場合だが、先生によって、同じ数値でも、頭からダメ
と言う場合と、まだ正常範囲ギリギリ、気をつけましょうと言う先生と。
「１」でも数字がオーバーしたら薬開始です・・と言う先生もおられる。
C、今は、マレーシア生活中、こっちの病院でも何件か人間ドッグも
経験している。英文での結果もあり、日本語での結果票もある。
”読み方”も難しいが、日本のと比べると明らかに数値が違う。
日本人用に説明してくれる先生はいい先生だ。海外ではもともと、
基準が違っているのだから。
マレーシアの病院は、多くはヨーロッパ、とくにイギリスでの医学
勉強の後にマレーシアで開業だったり、病院医師だったりすること
が多いと聞く。
最近のある先生の場合、パソコンで打ち出された血糖値が
マレーシアの基準だった。「えッ？・・・」と疑問を投げかけたら、
先生は「あ、そうか日本基準に換算します」と言ってパソコンをパチパチ。
このとき、血糖値の換算ソフトがあるなんて知らなかった。ビックリ。
しかし、日本基準に直してくれたとは言え、今年のその時はまだ、
日本人間ドッグ学会の発表間もない時、世界に発信など、行き渡って
いなかったはず。やはり旧基準値での換算だった。今後、時間をかけて
世界に発信するのでしょうが、果たしてどこまで行き渡るか疑問です。
日本は、海外在住の日本人も念頭に入れているでしょうが、海外の
地元外国人医師が海外で日本人を診る時にどのような認識があるか
で全く違ってくるでしょう。
だから、我々の認識も大事になってくるのでしょう・・・と思います。
今回の新基準のいいところは、男性・女性、それに年齢によって数値を
分けていること。以前より、より細かい分析である事が頼もしい。
日頃から思っていることは、マレーシアの人達に肥満が多く、
どうすればああなれるのか、病気じゃないのか、生活は大丈夫か、
”数値は大丈夫だろうか？”などの疑問がわいてくる。
ヨーロッパに行っても、すごい肥満の方達にガンガン街で遭遇。
彼等は、すい臓・肝臓が日本人と比べて半端じゃなく強いんです。
だから、欧米基準の健康数値重視では、日本人には合わない。
今までが、採用に不備があったのかもしれません。今回の新基準は、
年代も含めその地域、国、民族に従って人間ドッグ学会が
”日本国民用”に算出したのだと解釈しています。
もちろん、新基準に反対の医師もいらっしゃると聞きます。
さて、ちなみに例として、旧基準と新基準との比較・・一部ですが。
＊血圧・・・・・収縮期血圧・・旧は、130mmHg未満・・・
新基準は、88〜147
＊総コレステロール・・・旧は、120〜220ｍｇ/dl・・・
新基準は、男性30〜80歳・・151〜254
女性30〜44歳・・145〜238
45〜64歳・・163〜273
65〜80歳・・175〜280
*LDLコレステロール・・・旧は、70〜139ｍｇ/dl・・・
新基準は、男性30〜80歳・・72〜178
女性30〜44歳・・61〜152
45〜64歳・・73〜183
65〜80歳・・84〜190
*HｂA1ｃ・・・・・・・・旧は、4.6〜5.6％
新基準は、男性30〜80歳・・4.97〜6.03
女性30〜44歳・・4.83〜5.83
45〜64歳・・4.96〜6.03
65〜80歳・・5.11〜6.20
日本人間ドッグ学会は、新基準で治療や診断が変わるのでは？
という誤解が広がっていることを重視し、国民に説明の文書を
発表したそうだ。
「今回の数値で、基準範囲になったからといって、治療を受け
なくてもよいとか薬を中止してもよいと、いうわけではありません」
と説明しているそうです。基準数値がゆるくなっても、注意は
怠るなということですね。
要は、今回の新基準は健康者が基本なのだから、健康範囲内に
収まろうとする日頃の認識と努力が必要だという事ですね。
ここをクリックすると参照出来る・・日本人間ドッグ学会の発表の資料です。
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