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ある日本人女性の話

期末試験がやっと終わった。これで次のタームが始まるまで少しのんびりできる。


ところで今日の話題は、たまたま耳にしたある日本人女性の話だ。


*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


彼女は30代でカナダにやってきた。ワーホリは年齢の都合で取れなかったので、観光ビザでカナダに入国した。目的は英語を話せるようになりたいというものだった。また、海外生活に多少あこがれもあったらしい。


最初の数ヶ月は語学学校で頑張ったが思うように英語は上達しなかった。私もそうだったが、カナダに住んだからといって英語がぺらぺらになるわけではない。彼女はバンクーバーの語学学校に通っていたので周りに日本人が多かったのも多少は影響していただろう。


あっという間に時間は流れ、観光ビザがそろそろ切れる時期になっても彼女は帰国しなかった。彼女は違法滞在を始めたわけだ。日本から持ってきた資金も底を突き始めたのでつてを頼ってあるジャパレスのキッチンで働き始めた。彼女自身カナダにいることも働くことも違法だとわかっている。そして最初の給料日、現金で給料をもらった彼女はびっくりした。何故なら


時給4ドルで計算されていたからだ。ショック


B.C州の最低時給は8ドル、4ドルなんて半分だ。彼女が時給は8ドルだと思っていたと言うと


(時給4ドルが)嫌なら辞めてもらってかまわない


とオーナーからあっさり言われたそうだ。彼女がしかるべき機関に訴えないと見越しての発言だろう。実際彼女は訴えなかった。訴えれば自分の情報を明らかにしなくてはならない。そうなれば違法滞在、就労が発覚し、間違いなく強制送還になるからだ。


結局彼女はその条件で働くことを選んだが、最低時給(8ドル)でもフルタイムで働けば月に1000~1200ドルくらいにはなるだろうと思っていた彼女の目論見は思い切り外れた。飲食店なのでまかないがつくため食費はほとんどかからないが、交通費や住居費は別途かかる。また安く使える彼女はどんどんシフトを入れられる。そりゃそうだ。彼女を使えば人件費は半分だ。現金払いということから彼女の存在自体人件費としては経理上はなかったのかもしれない。彼女としても人の倍働かないと人並みの給料にならないので、シフトが入った方が助かる。


カナダでの生活を維持するために店と家の往復だけの生活になった。ジャパレスということもあって同僚はワーホリで来る日本人ばかりで、キッチンでの会話も日本語だったし、ルームメートも日本人だった。カナダにいるにも関わらず、彼女が英語を話すのは週に1回、1時間チューターと会う時だけだったそうだ。


これなら日本で英会話スクールに行くのと同じようなものだ。否、日本なら時給400円なんてこともないだろうから、更に条件が悪い。


彼女は自分のことを職場ではほとんど話さなかったようだ。いろいろ勘ぐられるのが嫌だったのかもしれない。だがある時、知り合った日本人に自分の境遇をもらしたらしい。(多分この辺から巡り巡って私の耳に入ったのかもしれない)その日本人は余計なお節介と思いつつも彼女に日本に帰国することを勧めたそうだ。


もしあなたが20歳前後だったら、これも経験なんて言えるかもしれないけど、30代でしかも不安定な身分のままで異国のしかもその日暮らしを続けるのはあまりにもリスクがありすぎる。日本に帰って生活を立て直した方がいいと思う。それに英語なら日本でいくらでも勉強できるよ。


だが、彼女は「帰りたくない」と言ったそうだ。理由を聞くと


30代で職歴もブランクがある自分が日本に帰っても仕事に就けるとは思えない。もちろん今の生活が良くないことも、英語は全然上達しないこともわかっている。

でもバンクーバーの街を歩く時やバスに乗って景色を見ている時に、周りの人たちが英語を話しているのが耳に入ってくると、意味はわからなくても『ああ私は外国に、カナダにいるんだ』って実感できるの。それに日本に帰国したら独身・無職、しかもいつも年齢がついてまわる。でもカナダだと年齢なんて聞かれないし、あまり詮索もされない。ワーホリの子たちは何か思っているかもしれないけど、どうせ半年もすれば入れ替わっていくから。


こうなったらどうしようもない。彼女は違法滞在、就労(それも悪条件で)してでもカナダで生活することに価値を見出しているのだから。


だが、そんな彼女の生活はその後長くは続かなかった。誰かが彼女が違法就労していることを通報したのだ。オーナー共々彼女も調べられ、違法労働と違法滞在が発覚しその後強制送還されたそうだ。強制送還された記録がある以上カナダへの再入国は今後しばらく無理だろう。


*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


私は人付き合いが多いほうではないので、あまりこうした話は入ってこない。だが、たまに入ってくる話はびっくりしたり、半ばあきれるものが多い。(だからこそ人の口の端に上って広がるのだろうけど)また人から人へと話が伝わってくるうちに多少話が誇張されている部分もあるのかもしれない。


それにしても、こちらに来てからジャパレスの良い話を聞かないなあ。


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ブログ紹介

小心者がカナダに暮らせば Part2

http://ameblo.jp/syoshinmono-diary/

カナダ、ビクトリアで暮らす小心者の日々を綴っています。 現在CGA(カナダの公認会計士の1つ)を目指して日々精進中

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