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お気楽クリスマス

 
週末は 新宿に行ってきた。
タカシマヤから 南口にかけて イルミネーションがきらびやかで 多くの人が立ち止まって 
写真をとったり 花壇に腰かけて 夜景を楽しんでいた。
 
 
日本でも クリスマスイルミネーションが ずいぶん 豪華になったものだ。
 
 
デパートや駅前だけではない。
最近は 普通のご家庭でも ディズニーランド並みの イルミネーションをしていて びっくりする。 
定年されたご夫婦が 趣味でやっていらっしゃるという所もあり、
庭の灯篭や 和室の奥の様子をみると 確実に 仏教徒だと 見受けられるが 
そんなことは この国では 関係ないようだ。 
 
 
クリスマスが何の日か 本当に知っている人は 日本に何割ぐらい いるのだろう?
若者の中には 完全に 勘違いしている者も いるのではなかろうか?
 
 
ある小学校に講演に行った際、クリスマスが 何をお祝いする日か聞いたところ 
ほとんどの子供が 知らなかった。 つまり 子供たちは クリスマスが 本来はキリストの誕生日であり従って キリスト教徒だけの お祭りであることを理解していなかったのだ。 
まぁ 知っていたら クリスマスは こんなに日本で 広まらなかったかもしれないが。
 
 
 
それに比べ NY郊外での クリスマスは 緊張感にあふれるものだった。
 
 
 
 
NYは 全米でも 最大規模の ユダヤ人が暮らす都市であり NY郊外の我々が住んでいた街は 
特に ユダヤ人が集中して 住んでいた。 
ちなみに ユダヤ人とは ある特定の人種のことではない。 ユダヤ教という 宗教を信奉する すべての人を指す。
( もちろん ユダヤ教の中にも いろいろ種類はあるのだが )
 
 
 
従って NY郊外では ほとんどの家庭では クリスマスを 祝わない。
イルミネーションは なし、ツリーも なし。
 
 
メリー・クリスマス( =キリスト万歳の意味 )は 禁句中の禁句。
( 今 アメリカでは Happy Holidays とあいさつするのが常識になっている )
 
 
学校で ツリーのオーナメントや リースを作るなんて 絶対にありえないが
その代り ユダヤ教のクリスマスともいえる「ハヌカ」の日が お休みになる。
 
 
平均的?日本人らしく 渡米前は 小さなツリーで 適当にクリスマス気分を味わっていた
我が家だったが、NYに引っ越してからは クリスマスが すっかり 祝えなくなってしまった。
 
 
駐在1年目の冬は 周囲の状況もあったが とにかく 片づけたばかりの段ボールを開くのが嫌で 
ツリーを出す気がしなかった。 冬休みは旅行に行く予定で 家にいないというのもあった。 
見ないツリーを 飾っても仕方がない。
 
 
2年目の冬は 気が付けば 娘の友達は ユダヤ人ばかりと言う現実に直面し、 
とても ツリーを 飾れる状況ではなくなっていた。 
家には しょっちゅう ユダヤ人の娘の友達と その親が 出入りするのである。 
小型のツリーは飾っていたが あまり 見えないところに 目立たないよう飾っていた。
 
 
そして 3年目の冬。
今年か 来年の冬が NY駐在最後と言われ いよいよ ツリーを飾ることにした。
いざ 飾ってみたら 日本から持ってきたツリーが貧相だったので、 新しいツリーを買った。
オーナメントも セールで買い足して クリスマス気分を 楽しんだ。
 
 
多少 後ろめたかったので キリスト教徒の アメリカ人ママ友に これまでの気持ちを話したら 
「 クリスマスは すべての人に幸福を願うすてきな行事よ。 
  キリストじゃなくて サンタなんだから 気にしなくて いいのよ! 」と言われ 気楽になれた。
 
 
そうよ。 日本人なんだから 気にすることない!
 
 
NY最後の冬かもしれないと思うと クリスマスの季節は 感慨深かった。
駐在の記念に アメリカならではの 飾りを買いだめした。 
あのオーナメントが かわいい。 あの飾りは 日本には 売っていない。
しかも クリスマス当日が近いので 店頭では もう5割引きセール!? 
久々の クリスマス気分に 私は酔いしれた。
 
 
やっぱり クリスマスは たのしい!
 
 
そうして NYで はじめて コテコテのクリスマスツリーを飾った 去年のある日。
息子の親友の母親であり ママ友でもある アリッサが 家に来た。
 
 
子供たちはプレイデートをしていて、アリッサは いつも息子を迎えに来がてら 
しばらく おしゃべりを 楽しんで 帰る。
 
 
 
しかし、その日の アリッサは 我が家のリビングに足を踏み入れるなり 顔色を変えた。
 
「 ・・・・・・ 日本人は クリスマスを祝うの? 」
 
 
我が家には 買いたての 大きなツリーが キラキラと輝いていた。
 
 「 う~ん、キリスト教徒というわけではないんだけどね。 日本では みんなサンタが好きだから 
  そこだけ取り入れて 昔ながらの 忘年会の習慣とかと合わせて 宗教とは関係なく
  クリスマスを 気楽に楽しんでいるところがあるみたい・・・ 」
 
 
クリスマスが 宗教に関係ないって こんな馬鹿げた話はないが、他人事のように 日本の慣習を解説する 私。
 
 
 
アリッサは 「 ふーん 」と相槌を打つが、 彼女の表情は硬く、わたしの背中には 思わず 冷や汗が垂れた。
 
 
 
アリッサの両親は 第二次世界大戦中 ホロコーストの難を逃れるため 
命からがら アメリカに逃げてきた。 その両親は アメリカ国民になってからも ユダヤ人であること、 
自らの宗教を守ることは 命と同じぐらい いや それ以上に 大切だと アリッサたちに 教えてきた。 
 
 
 
今アリッサも 子供たちに クリスマスに負けじと ユダヤの伝統を教えるために 躍起になっているのだ。 
したがって アリッサにとって クリスマスや それに関連するすべてのものは 「敵」だった。
 
 
私は 自分が恥ずかしかったし アリッサにたいして 申し訳ないような気すらしていた。
そして キリスト教徒でもないのに クリスマスを祝う自分や 日本人ってなんなんだ?と 
心底 疑問に思った。
 
 
でも 物心ついたころから 私の枕元には サンタが来てくれていたし ツリーを 飾りつけるのは 子供のころからの 楽しみだった。  キリストのことは よく知らなかったけど (ごめんなさい) 
クリスマスは 日本人の私でも 誕生日と同じぐらい いや それ以上? 幸せを 感じられる日だったのだ。 
今更 それを なぜ? と言われても 答えに窮する。
しかし 伝えるべきことは ちゃんと 伝えなければならない。
 
 
 
我が家では 子供たちに クリスマスの 本当の意味を 説明するとともに、
家は キリスト教徒ではないけれど サンタクロースは 世界中の子供たちを 幸せにするために 
あなたたちのところにも来てくれると 言っている。 
そして クリスマスのこの日、 自分が おもちゃをもらうだけでなく 
クリスマスを 祝いたくても祝えない子 
今日 食べる食料にも 困っている子たちのことを 考えてほしい、
そして 自分にできることをしてほしいと 伝えるようにしている。
 
 
 
日本でも 歳末たすけあいなど 年末になると 募金活動やボランティアが盛んだが、アメリカでも 子供たちがクリスマスのこの時期、 自分のおこずかいを割いて 
恵まれない子に プレゼントを買ってあげるという ボランティア活動が行われていた。 
子供たちが通っていた NYの小学校でも 熱心に この活動を勧めていた。
 
 
そもそも クリスマスとは そういう日で、 自分の幸せに感謝するとともに その幸せを得られない人のために 自分が何かをしてあげたり 何をしてあげられるか考える日だと思っている。
 
 
 
ひとつのおもちゃを 姉弟で喧嘩して 取り合うぐらいの 低レベルな わが子たちだが 
この季節、 是非 自分たちが いかに恵まれているか、 
そして 今 この瞬間も 水が飲めなくて ご飯が食べられなくて 亡くなっていく子供たちが 
どれだけ たくさん この地球上にいるか。 
そして その子たちを 救うために 自分たちが できることは何なのか、
考える機会に してもらいたいと 思っている。
 
 
 そして 世の中には クリスマスを祝わない宗教や いろんな 別の行事があることも。
 
 
 
日本にいれば まるで 世界中の誰もが クリスマスを祝うのが 当然のように思ってしまいがちだが 
NYで暮らしたことで 我が家の子供たちは 人によって宗教が違うという 
とても大きな 人類のテーマを 肌身で感じることができた。 
 
 
 これこそが 彼らにとって もっとも貴重な 体験だったのかもしれない。
 
 
 
 
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