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産後エピソード ~長女の憂鬱~

産後一ヶ月はとにかく辛かった。

「死にそう」というのはこういう状態なんだと、
初めて身をもって体感した。

毎日徹夜で働いていた頃の方が全然マシ。
仕事なんて自分で幾らでもコントロールできる。

真に大変なのは・・・
コントロールできない他者に、
精魂付き果てるまで徹底的に向き合うことなのだ。

ここでいう他者っていうのは・・・
他人じゃないけど、あえて他者といおう。
妊娠して間もなくから様子がおかしかった長女。

もともと人の気持ちに敏感で、
慎重に空気を読んで行動する子だったけど、
私が妊娠してからは、それが顕著になった。

赤ちゃん返り、っていうのかな。

でも長女ユウの場合は、
赤ちゃんに返りきれず、かといってお姉ちゃんにもなりきれず、
葛藤してもがき苦しんでいるようにみえた。

本当は甘えたいはずなのに、下手に我慢して、
処理しきれず、歪んだ感情が爆発する。

二歳半にしては言葉が遅く、
上手く感情を言い表せない分、
泣き方は余計に激しかった。

何を聞いても答えない。
抱っこしようとしてもはねのけられる。
ただ、何かにとり憑かれたように、
朝から晩まで泣いていた。

素直に甘えてくれたら、どんなに良かったか。
抱っこでも何でも気が済むまでしてあげるのに。

この子のことだ、きっと、
産後ママがあまり動けないことを知っていて、
やせ我慢しているのだろう・・・

・・・

更に、今まで眠りに関して何も問題なかったこの子が、
夜泣きまでするようになった。

「ママ、いない」

ユウは夜中に何度か目を覚まし、
その度ママいない、ママいないと言って、
暗闇の中を探しまわった。

私が入院中に家をあけたことが、
余程のトラウマになったらしい。

そりゃそうだ、生まれてからこのかた、
一晩だって離れたことがなかったのだから。

ユウが夜中起きる度、
「ママはずっとユウの側にいるよ」と言い聞かせ、
安心して眠りにつくまでベッドの側にいた。

幼い子どもにとって、夜中目を覚ました時に母親がいないというのは、
相当な恐怖だろうと思う。

こんなに小さな子が、大きな不安と必死に戦っている。
可哀想で、涙が出る。

母と子にとって、
大きく成長するための…試練。

夜中は次女の授乳と、長女の夜泣きが交互に続き、
睡眠時間なんてほとんどなかった。

でも不思議と身体はみるみる回復していき、
気力もパワーも溢れていて、とにもかくにも
「早く元気になってユウと一緒に思い切り遊んであげたい」と、
産後三週間を迎える日を心待ちにしていた。

そして・・・

産後三週間が経過した、その日。

朝、産後ずっと着っぱなしだったパジャマを脱ぎ、
外出できる服に着替えた。

それを見たユウは、憂鬱な表情が一気に晴れ、
「ママ、きれい~」と微笑んだ。

いつぶりだろう?こんな素直な表情。
この時のユウの笑顔、一生忘れないだろう。

母子の心の霧がパァーっと消え去り、
お互い、なにかが通じた感覚があった瞬間だった。

原因不明の「お外嫌い」が続いていたユウだったが、
数ヶ月ぶりに自ら「お外行く」と言った。

それがもう嬉しくて嬉しくて。

次女はアーイーとお留守番してもらい、
すぐに靴を履いて手をつないで外に出て行った。

すると、なんと。
ユウが私の手をつないで歩いている。

二歳児が外を歩くなんて、当たり前のことだろう。

でも、我が家では当たり前のことじゃなかった。
ユウは私が妊娠して間もなくから全く外を歩かなくなっていた。
原因不明で、夫も私も心配していた。

時々にこにこと私の顔を見上げながら、
小走りでとっとこ歩く。

その姿は健康な二歳児そのもの。

産後初めての外出だからあまり遠出はできなかったけど、
ユウが歩いたのが嬉しくて、一時間も歩いてしまった。

ただ、手をつないで散歩をしただけなのに、
お互いの心が繋がったのがよくわかった。

なんていうのかな、
母子だけにある、見えない糸。

妊娠期間中、それがプッツリ切れてる感じだった。
非常に感覚的なものだけど、一番適した表現。

あぁもう大丈夫。
この子と私の糸はまた繋がったんだ。
以前よりも強く、太く、しっかりと。

里帰りせず、上海で出産し、
親の助けを借りることもなく、
長女を園に預けることも選択しなかった。

この選択は想像を超える大変さだったけど、
今では最善の選択だったと思える。

夫婦関係も、父子の関係も、母子の関係も、
鉄壁のように強固な絆で結ばれた。

家族って、勝手に家族になるものじゃなくて、
こうやって一緒に何かを乗り越えて、
だんだん「家族」になっていくんだな。

「愛の狙い通りになったね」と夫。

へへへ。

アナタも仕事あるのに娘の面倒、よく頑張った。

私だけじゃなく、夫も、アーイーも、
みんな辛かった産後の一ヶ月。

今では良い思い出です(^-^)/




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上海駐在員妻むーみんあいの記録

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自身も中国留学・駐在・バックパッカー経験有。破天荒な駐妻が中国の“B級生活”情報をお届け♪

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