山中教授の言葉をきいて思うこと

毎週火曜日午後に行っている時事問題のクラスでは、そのときどきのニュースをとりあげ、ディスカッションしたり、ワークシートを使って問題を解いたり、あるいは、生徒が思い思いのトピックを調べ発表したりしています。

11月現在、アメリカ大統領選、田中文科相の独断による新規大学申請の不認可・・・と話題にいとまありませんが、個人的には、10月上旬に日本中を沸騰させた、山中伸弥さんのノーベル賞受賞が未だ鮮烈です。

先日TVで見た「NHK特集　ノーベル賞・山中伸弥　ｉＰＳ細胞"革命"」では、全国的に知名度を上げた山中教授の研究はもちろん、その人柄をインタビューを通じて丁寧に伝えていました。

インタビューでは偉業をなしとげたひとだからこその真実味と重みのある名言が数々伺えましたが、中でも私が特に印象に残ったのは、「”先生”が先生ではない」という教授の言葉でした。その意味するところは、「モノを教えてくれる先生（＝人）だけが先生ではない」ということで、山中教授は、仮説を立てても裏切られ、それでもあきらめずに続ける’実験とその結果’や、我々が解明しているのはほんの一部でしかない未知なる’自然’こそが”先生”だということでした。

山中教授のレベルとは比べようもありませんが、学習とはやはりそういうものだと、私も思うことがあります。「教科書」や「参考書」や「先生」は確かにツールとして重要だけれど、大事なことは「そこから何をどういうふうに学び取ったか」ということであり、その学習を通じて得た実感が、人生における経験値となり、ひいては生きる力になっていくような気がします。

時事問題クラスでたっぷり山中教授のトピックに取り組んだ生徒たち。私ほど大げさではなくても、山中教授の態度、言葉、そして実験内容とその結果から何か人生において前向きなものを感じて欲しいと思っています。