今日は非常に難しい日であった。
朝、会社に行くと人事部からメールが来ていた。
「あなたの部下のAさんについてですが、
イギリスの移民局が規定を変更したため、
6月14日以降、PSWビザからTier2ビザへの
切り替えができなくなります。
よって、Tier2ビザに切り替える場合は、
6月13日までに申請してください。」
PSW（Post Study Work)ビザというのは、
イギリスの大学を出た人に与えられるビザで
このビザを持っていると、卒業後2年間の
イギリス滞在が許可される。就労も可。
（注：このビザは今年4月に廃止になった）。
そして、Tier2ビザというのは、大雑把に言えば、
就労ビザのようなもの。
来年PSWビザが切れる中国人のAちゃんは、
まさにPSWビザからTier2 ビザに切り替えている
最中であった。
一応PSWの有効期限が来年まであるので、
切り替えも結構余裕を持って準備を進めていた。
そんな矢先の法律改定。
つまり、Aちゃんがこのままイギリスに滞在するには、
6月13日までにPSWビザからTier2に切り替える
申請をしなくてはいけなくなってしまったのだ。
（注：この変更は、仕事の種類によっても異なる
可能性があるので、詳しくはUK Border Agency
のウェブサイトを確認してください）。
キャメロン首相率いる保守党になってから、
移民政策が毎年どんどん厳しくなっている 
PSWビザ自体もなくなっちゃったし、
しかもTier2を持ってイギリスに5年間滞在しても、
ある一定の条件を満たさない限り永住権が申請できない
ようになるかもしれない（っていうかもうなった？）。
Aちゃんの場合、特に複雑なのは、
変更が施行される6月14日前までにビザを申請しなきゃなのに、
ちょうどこんなときに限って、2週間の海外出張と3週間の旅行の予定
が入ってしまっている。つまり変更前にロンドンにいるのは、
海外出張と旅行の合間の1週間だけ。
通常、ビザ申請にはオリジナルのパスポートを
移民局に提出しなきゃいけないので、
申請中には海外にはどこにも行けなくなる。
それなので、ビザ申請が遅れて、パスポートが
返ってこなかったので、海外旅行をキャンセルしなくては
ならなかった例もかなりある。
Aちゃんがビザを申請できるのは、
出張と海外旅行の合間のロンドンにいる1週間の
間のみ。その間にビザを郵送で申請した場合、
6−8週間はかかるので、確実に海外旅行を
キャンセルしなきゃいけないことになる。
ただ、ビザ申請には郵送以外にももう一つやり方があって、
Public Enquiry Officeというオフィスに直接訪問してビザを提出
しに行くこともできる。この訪問するやり方だと、ほとんどの場合、
その日のうちにビザを発行してもらえる（ビザが受領されたときのみ）。
つまりパスポートも1日で戻ってくる。
それなので、1週間しか期間がないAちゃんには
Public Enquiry Officeに行くのが一番都合が良い。
でも厄介なのは、今回みたいに移民政策に変更が
あった場合、変更前にビザを取得してしまおう、と言う
人が増えるため、ビザ申請ラッシュになる。
Public Enquiry Officeに行くには、
予約をしていかなきゃいけないんだけど、
イギリス各地にある全てのオフィスに連絡したところ、
すでにもう空いている日にちがない。
ロンドンから一番近いところにあるクロイドンの
オフィスはもちろん、スコットランドにある
オフィスでさえも予約ができなかった・・・。
つまり、Aちゃんには、Public Enquiry Office
（1日でビザ申請ができる方法）の道は閉ざされてしまった。
どうしようか私もさんざん考えたが、
確実にビザを取得するためにも、
結局Aちゃんに休暇をあきらめるか、短縮するか
してもらわなくてはいけなくなってしまった。
ほんと、こうゆうニュースを伝えるのは、
悲しい。
というのも、3週間の長期旅行ということで、
Aちゃんはこの休暇をずっと前から
計画していたし、旅行中にいとこの結婚式に参加する予定でもあったのだ。
がっくりしていたAちゃんを見て、本当に悲しくなった。
でも法律だからしかたないね、
ビザがまだ申請できるだけ、ラッキーだったと
思ったほうがいいね。
とAちゃん。
こうゆうことを言われると余計泣きたくなるね。
私も3年前にビザを更新した時に、
ちょうど申請のタイミングと旅行の予定が重なって
旅行をキャンセルしなきゃいけないことがあった。
ほんと、移民局＆保守党のあほーーー！と叫びたい。
私たちは社会保障も無いのに、税金納めているんだぞ。
と、移民局のまさかの規定改正で、
かなりストレスフルな一日になった。
移民よ負けるな！
こちらにも出没しております。
