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(43) Aちゃん家族の本帰国

まだほんの数ヶ月で、まだみみのフランス語はあまり上達していなかったのだけど、それでも、幼稚園に迎えに行くと私がなかなか使いこなせなかった

「Si !」を使っていたり。

この「Si」というのは日本には無い表現。
例えば誰かが

「この自転車はソフィのじゃないよね?!」

というような否定の質問をした時、

「そうだね(Non)、違うよ~!」
「いや!(Si)ソフィのだよ!!」

・・・という具合に使う、OuiとかNonとかの代わりになるもの。

すごく簡単なことなら理解できるんじゃないかなあ・・・??って頃。それでも
やっぱりフランスの幼稚園がストレスだったには違いない。

みみは毎週水曜日にあるディジョン日本語補習校に行く時だけは自分で起きるのだった!

この地方の秋、冬は長く寂しく、日照時間がとても短い。
朝はいつまでたっても暗く、夕方もすぐ暗くなる。
春や秋にきれいな空が見られる日本とは全く違う。
雨も多いし、雪も降る。

朝6時に起きて行かなくてはならない補習校・・・。

でも、行くと日本の血が入った子供に会える。
中でもみみと同じ年齡の、しかも誕生日がたった5日しか違わないAちゃんと会えるのは楽しみだったよう。

Aちゃんはもう4年もディジョンに住んでいて、お兄さんともフランス語で話すような状態だったけれど、この兄妹と、みみのみがいつか日本に帰る運命を持った、日日の子供(日仏ではなく)・・・。

フランス語を話せないみみに、少しフランス語訛りの日本語で話していたAちゃん・・・。

しかし、補習校に入って、、まだほんの数ヶ月の補習校の帰りのバス亭で・・。

「Aちゃん家族は本帰国が決定したの・・・。」という話を聞かされた。

フランシュコンテ地方にたったひとりの日日の子供、みみ。
ディジョンに来た時にだけ会えた日日のこの兄妹。

ああ・・・この子たちまで・・・いなくなるのか・・・。
でも、私はみみに”Aちゃんが日本に帰る”という話をできずにいた。




ずっと言えずにいたけれど、ある日みみは自分で気がついたようで、電車の中で聞いてきた・・・。

「ママ・・・Aちゃんは日本に帰るの・・・?」





Aちゃんたちに最後に会った時、やっぱりAちゃんたちは補習校の子供たちと皆なでフランス語で話しながら遊んでいた。
それは、もし、顔を見なかったとしたらフランス人の子供が話しているのだと錯覚するだろう・・というフランス語だった。

この子たち、、、自分で望んでこんな風になったのじゃないけれど、このディジョンの生活が将来この子たちにとって本当に良い思いでであって欲しい・・・。
そして、日本で上手にみんなの中に入って行けます様に・・・と思ったら、泣けてきた・・・。 そして、心細かった・・・。

同じ境遇の家族が帰ってしまう・・・。

私はAちゃんたちに、

「元気で頑張ってよ!」と言ってから

ディジョン駅まで泣きながら行った・・・。

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ブログ紹介

ロンドンとフランスの小さな街で子連れ駐在生活

http://ameblo.jp/londonbesancon/

駐在家族の多いロンドンからフランスのブザンソンに引越し。街で唯一の日本人(日日)家族になってしまった!閉鎖的な街に馴染んでいくまでの努力?日記。

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