東京、NY間の１３時間のフライトは あっという間に思えた。
到着が近づくにつれ 私も子供たちも 胸が高鳴る。
特に娘は 到着３時間ぐらい前から ソワソワしている。
初日は 時差ボケもあるし NYには早朝６時の到着だったので
そのまま ホテルに泊まることになっていたのだが
娘は すぐに友達の家に行きたいと そればかり言っている。
息子は 到着する前から
「早く日本に帰りたい」 「アメリカなんて 行きたくない」・・・。
私は ちゃんと入国できるか、手配した迎えの車は来ているか、
ホテルの予約は ちゃんと取れているか、など 細かいことが気になる。
（ アメリカでは ホテルを予約していても 行ってみると
「空いていません」なんてことは ザラにある ）
そして いよいよ飛行機が着陸した時、
わたしたち３人の胸に浮かんだ言葉は ただ ひとつだった。
「やっと 帰ってきた！」
空港に到着すると同時に ごく自然に 英語で話し出す 娘。
私も 必要最低限の英語すら 出てこないのではないかと ビビっていたのだが NYについた瞬間 勝手に 英語脳に切り替わっていたようだ。
気が付けば 入管職員と 軽口をたたき 世間話までしていた。
どうぞ カメレオン親子と呼んでください。
結局 帰国子女の長所であり欠点はここだと思います。
環境があれば それに 完璧に合わせることができる。
日本で育った語学好きの人のように
日本で 必死に 英語を勉強することは苦手なのですが アメリカに戻ると 引き出しに入っていたものが どっと自然に 出てきてくれる。
もちろん これは 在住時に 必死で勉強して蓄積した「引き出し」があるからなのですが アメリカに戻った瞬間 私たちは ジェスチャーも言葉も考え方も 自然と 「アメリカ式」に切り替わるようです。
もちろん 娘の口からは 以前よりも 日本語が頻繁に出てくるのですが
相手がアメリカ人のお友達になると 以前と まったく同じように ペラペラと話していました。
娘の語彙力も 学校の授業に戻るとなると苦労したと思いますが、
日常会話においては ネイティブと差はありませんでした。
むしろ レベル的には アメリカ人の友達の方が 以前より退化したのではないかというぐらい、しょーもないことばかりまくしたてていましたね～。
精神的な成長は かなり遅れてやってくる アメリカ人の子供です。
そして 心配していた運転は ・・・・ 体が覚えていました。
なんたって 日本で１０年間に運転した距離を １年で走りきるぐらい 縦横無尽に駆けずり回った町です。 最初の角を曲がるときこそ どちらの車線だったっけ？と目が泳ぎましたが 次の日には まるでずっとそうしてきたかのように 高速を走っていましたネ。
ただし 警察の車を見ると 別に何も悪いことをしていないのに
「ここでつかまっては大変」と 異様に緊張しましたが。
（NY警察は 住宅街をうろうろしている外国人に厳しいのだ）
いやはや びっくりしました。
まるで 日本に帰国したのが ウソのよう。
１年前のアメリカ生活の続きをそのまま やっているような気分でした。
まぁ たった１年だったから 記憶も鮮明だったんでしょうけどね。
ところが ウキウキの娘と私とは対照的に この流れに 身を任せてなるものかと 一人 あらがっている者がおりました。
帰国子女ではない「普通の日本人」になってやる、と 固く決意をしている「息子」にございます。
さて 彼がどうなったかは 次回。
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