ラーメンと日本

先日、わざわざ電車に乗ってとあるラーメンを食べに行きました。その写真がこちら。

いやーー久しぶりに写真載せましたね！

これが実に素晴らしいラーメンでして、化学調味料に頼らない、本当に真っ当な「料理」としてのラーメンでした。そのかわりに値段も１０００円。しかし十分にその価値はあります。澄んでいて牡蠣の出汁の効いたスープにミルで粉にしたばかりの山椒が素晴らしい香りが織りなすハーモニー。

これは梅ヶ丘にある柴崎亭というお店なのですが、実に突き詰めた料理だと感心しました。

で、今日の話はラーメンではなくって、この「突き詰める」という行為、実は日本独特のメンタリティー、感性なのではないかと感じるのです。

話はラーメンから日本へ　笑。飛躍！

日本においては、ラーメンのみならず、食べ物ならカレーやハンバーガーまでもを自家薬籠中の物にしてしまい、海外では食べられないような質に昇華させるという例が枚挙にいとまない。

あれだけハンバーガーの店の多いアメリカよりも東京の方が今やその質においては上だと確信します。少し高いですが・・

実は日本の高度経済成長って（話がでかくなった！）、この気風が大きく貢献していたのだと思います。車しかり、家電しかり。一旦作り方を覚えたら、徹底的に追求して良い品を作る。そしてオリジナルを超える。本当に努力を絶やさないというか、探究心と努力がものすごいですよね。

家電を例にとると、洗濯機は防菌とかミクロ泡ウォッシュとか、ふんわり乾燥とかもう機能満載でしょ。こんなもんは海外にはございません。エアコンでも人のいるところを狙って風をあてるとか。冷蔵庫ならラップ不要の湿度調整とか、凍らないパーシャルとか、野菜室上使用とかもうありとあらゆる親切仕様が満載。

海外でこういう家電を期待するのは全く無理。そもそも人々はそういうことにあまり期待していない場合が多いし、そんな機能いらないから値段が安い方がいいという層もかなり多い。結果、色々と頑張りすぎて値段が高止まりし、日本の家電のグローバルシェアは昔に比べたら落ちていると思います。普通は量産すれば値段は下がるんだけど、日本の家電品って長期的には価格が維持されているらしい。

一方、「突き詰める」のが素晴らしい一方で、いわゆるゼロイチ、そう無からアイデアを生み出すというのはあまり強くないですよね。今までにないサービスや財を作る。アップルみたいに。ウーバーにしてもそうだけど。

これって独創性以外に、社会や組織の風土が問題になると思うんです。ようは突飛な意見やアイデアを出しやすいか出しにくいか、尊重するかリスクだとかたずけるか。そういう意味においてはアメリカのメンタリティーの根底にはまだまだフロンティア的なものがあるのでしょうね。一方、日本では予定調和を意識するから斬新な意見が出しにくい。ウーバーみたいなこと提案したら、それこそタクシー業界とのコンフリクト、監督官庁の許可はとか、ドライバーに対する雇用ぎむがとか、ありとあらゆるリスク論が出てきて前に進まない・・・・これが日本の企業のありよう・・・

いやいや一杯のラーメンから話が脱線しましたね、私のような小人が語るべきテーマではないかもしれません　笑。

しかし、本当に日本人の突き詰め方はすごいと思います。

実に素晴らしいラーメンとの出会いでした。

おわり。